メンタル
ヘルス

こんな方へおすすめ
ご存じでしたか。内田クレペリン検査はもともと精神医療の現場から生まれた検査なんです。日本では、産業界において適性検査として広く普及するというユニークな歴史をたどりましたが、そのいっぽうで、いまでも医療現場では、ほかの検査では代えられない検査として活躍しています。ですから、内田クレペリン検査は診療報酬の対象となっており、医療現場で使用されたときは、ちゃんと保険が適用されます。
この数年、内田クレペリン検査が利用される機会が増えてきたのが、働く人のメンタルヘルスの領域です。メンタルヘルスの問題の多くが、働き方と深くかかわっていることが明らかになってきていますが、産業と医療の両分野で長年使用されてきた内田クレペリン検査は、両方の分野をつなぐ「共通言語」になりうるポテンシャルを秘めているといえます。
メンタルヘルスの問題にあたっては、まずは国の主導でストレスチェック制度が導入されました。この制度は「一次予防」といって、メンタルヘルスが不調になりつつある人を早めに発見して対応することを、おもな目的としています。いっぽうで、内田クレペリン検査が利用されているのはちょっと別の局面です。具体的には、もうすこし不調が進んでしまい、一時的に長期休暇に入ってしまった人の回復過程をチェックする目的で使用されることが多いようです。
おもに医療機関がリワークと呼ばれる復職準備プログラムのなかで使用するケースや、人事部門が復職の可否や復帰計画を立てる際の参考資料として使用されています。これまでの研究で、一度長期休職に至った人は、再発/再休職しやすいことがわかってきています。そのため、この段階を丁寧に対応することで、再発/再休職を予防(三次予防)していくことが大切と言われています。この復職から三次予防の段階で、内田クレペリン検査が使用されることが増えてきています。
三次予防で内田クレペリン検査を使用するにあたって、わたしたちは二つの判定サービスをご紹介しています。
ひとつは、不調者(休職者)をサポートする立場の人に向けた判定サービスで、おもに医療関係者や人事部門の人が参照するための判定レポートです。この「メンタルヘルス・アセスメント判定」は、内田クレペリン検査の判定結果だけでなく、検査に精通した精神科医の意見を総合して提供するサービスです。
もうひとつは、「ガイダンス判定」といって、不調者本人が受け取るための判定サービスです。休職に至る理由は人それぞれですが、その背景には、働く人の「働き方」のパターンが影響していることがほとんどです。再発を予防していくためには、この「働き方」のパターンを本人も理解し、少しずつでも変えていく取り組みが大切です。
このように不調者のサポーターに有効な情報と、不調者本人に有効な情報を組み合わせることで複眼的なサポートが可能になります。
料金:4,950円(税込)
「復職可否判断の参考材料」や、「復職にあたっての業務負荷のかけ方」など、目的に応じる形でオーダーメイドのコメントを入れる判定です。
料金:2,200円(税込)
受検者本人の自己理解に役立ちます。相談や面談の際のツールとしてご活用頂けます。
企業
相談室担当者
対象:メンタルヘルスによる休職者
利用した判定サービス:
メンタルヘルス・アセスメント判定/ガイダンス判定
▶︎ ご利用の目的
メンタルヘルスの問題で休職している社員が職場復帰する際、復職可否判断の参考や、復職後の働き方の参考となる、本人とも共有しやすい客観的な資料がほしい。
▶︎ 結果
復職にあたっての会社側の参考資料にするだけでなく、本人との面談の中で、復職の時期や業務量について話をしたり、自己理解を深め、再発防止策について考えるきっかけのひとつにしている。以前は、「相談員である自分の主観なのではないか?」と思い、本人に尋ねたり、フィードバックをすることに頭を悩ませていたようなことも、内田クレペリン検査の結果をきっかけとしてであれば話題に出しやすくもなり、重宝している。
面談の結果、本人が納得して休職を延長したり、復職への自信を持つきっかけになったりしたケースもある。
医療機関(心療内科・精神科クリニック)
リワーク担当者
対象:リワークプログラムへの参加者
利用した判定サービス:
判定技術講座へ参加し、組織内で判定を内製化
▶︎ ご利用の目的
リワーク参加者の特徴の把握とリワークの効果測定のため(プログラムの中で定期的に、希望者に実施。入所時および復職前は特に受検を推奨)
▶︎ 結果
作業量はすぐに視覚化できるため、本人のポテンシャルやコンディションなどを現場で把握しやすい。複数回の結果があると、経時的な変化をとらえやすく、参加者自身のモチベーション維持にもなっているケースもある。
リワークプログラムの中で一斉に実施でき、医療機関としても診療報酬も入る検査のため、実施の採算性は高い。作業検査という特殊な検査のため、他の質問紙テストとのバッテリーも組ませやすい。また、参加者自身の行動特徴の理解にも役立ち、リワークの中でみられる特徴と重なる部分を適宜フィードバックでき、復職後の再発予防や、特徴を活かして働くための、働く環境へのアプローチという視点でも参考にしている。