内田クレペリン検査

年間70万人の受検者が利用する、
日本を代表する心理テスト

導入事例 6
 - 外国人材の適正を公平に判断できる検査

IIDA ELECTRONICS (MYANMAR) CO.,LTD. BPO部署 マネージャー Hnin Ei Phyu(ニン イ ピュ)さん / BPO部署 スーパーバイザー Thae Su Win(テー ス ウィン)さん IIDA ELECTRONICS (MYANMAR) CO.,LTD. BPO部署 マネージャー Hnin Ei Phyu(ニン イ ピュ)さん / BPO部署 スーパーバイザー Thae Su Win(テー ス ウィン)さん
インタビューその6

外国人材の昇進試験に活用。
客観的指標の利用は、候補者の納得にもつながる。

IIDA ELECTRONICS (MYANMAR) CO.,LTD.
BPO部署 マネージャー Hnin Ei Phyu(ニン イ ピュ)さん
BPO部署 スーパーバイザー Thae Su Win(テー ス ウィン)さん

IIDA ELECTRONICSの事業内容、歴史、規模感などを教えてください。

弊社は、BPO事業(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とEMS事業(電子機器受託製造)を扱う会社です。電子部品と電子機器の専門商社である飯田通商株式会社(本社・東京千代田区)のミャンマー生産工場として、2013年に設立されました。2024年現在、弊社のBPO部署には約300名の従業員が在籍しています。
BPOとは、お客様の業務の一部を預かり代行する業務のこと。一般的な業務委託やアウトソーシングとは異なり、業務の一つひとつではなく業務プロセスを一連でお預かりしています。そのため、対象となる業務範囲が広いのが特徴です。作業日報や請求書、名刺の入力に始まり、AI(人工知能)開発の教師データ作成やECサイトの運用代行、製造業のCAD/CAM、GIS(地理情報システム)のデータ作成といった幅広い業務を行っており、最近では3Dソフトを活用した次世代スマート工場の空間制作にも力を入れています。

内田クレペリン検査を知ったきっかけについてお聞かせください。

内田クレペリン検査を知ったきっかけは、2016年にミャンマーで開催された説明会に弊社代表が足を運んだこと。当時の弊社はミャンマーに工場を立ち上げたばかりで、従業員も20名ほどでした。説明を聞いて「面白そうだ」と思ったため、軽い気持ちで従業員全員に検査を行ったと聞いています。
検査の結果、各従業員の特性には大きなばらつきがありました。さらに、常日頃「この人は実務能力が異様に高いのではないか?」と感じていた従業員の作業スピードが他と比べて突出していたことも分かりました。検査結果と、それまでなんとなく各従業員に抱いていた印象とが一致したため、代表は大変驚いたそうです。それ以来、ここぞという場面で内田クレペリン検査の結果を活用しています。

BPOとEMS事業を担う飯田通商株式会社のミャンマー現地法人IIDA ELECTRONICS (MYANMAR) CO.,LTD. BPOとEMS事業を担う飯田通商株式会社のミャンマー現地法人IIDA ELECTRONICS (MYANMAR) CO.,LTD.

BPOとEMS事業を担う飯田通商株式会社のミャンマー現地法人IIDA ELECTRONICS (MYANMAR) CO.,LTD.

内田クレペリン検査をどういった場面で使用されていますか。

主に人事担当者が、「社内管理者(以下、管理者)」の人材適性を見る目的で使用しています。管理者とは、弊社で働く一般オペレーターを統括する役職のこと。お客様のニーズを読み取る力に加えて、言語力(日本語、英語)と一定のパソコンスキルが必要とされます。
弊社はEMS事業(電子機器受託製造)から派生してBPO事業を始めたという経緯があり、一般オペレーターが従業員全体の80%超を占めています。基本的に、一般オペレーターを採用する際は、学歴や資格、経験などは一切問いません。ミャンマーは電化率が約50%と低く、国内での経済格差も激しいことから、「パソコンを触るのは人生初」という人がほとんど。そのため、採用後はパソコンの電源の入れ方からタイピングの方法、ソフトの使い方まで順々に指導していく必要があります。そんな彼らを指導・育成し、取りまとめるのが管理者の仕事です。

リーダーシップが必要とされる仕事だからこそ、内田クレペリン検査で適正を見ることが大切なんですね。

以前は人材派遣会社やSNSを通じて、外部から管理者を採用していました。社内の一般オペレーターの中に、管理者としての適正を満たし、即戦力となる人がいなかったためです。
ミャンマー工場が2024年に10周年を迎えたということもあり、現在は社内のベテランオペレーターを管理者に選抜し、現場を任せていくという方向にシフトしています。
その理由は2つ。1つは、場数を踏んできたことで、現場たたき上げの一般オペレーターが育ってきたこと。多種多様なお取引の経験を通じて、社外の管理者よりも社内のベテランオペレーターの方が正しい判断を下せるようになってきました。
もう1つの理由は、「AI(人工知能)やWEBサイト制作に関する広範な知識を有しつつ、数百人単位の教育とマネジメントをこなせる」マルチな人材が、外部の管理者にいなかったこと。「社外の管理者を採用するよりも、社内の優秀なオペレーターを昇進させる方が早かった」という事情があります。
社内人材を昇進させるにあたり問題となったのが、「オペレーターとして優秀な人材が、管理者としても優秀なのか分からない」という点でした。そこで、社内の候補者たちの管理者としての適性を見極めるために、内田クレペリン検査を実施することにしました。

IIDA ELECTRONICS (MYANMAR) CO.,LTD.の職場の様子 IIDA ELECTRONICS (MYANMAR) CO.,LTD.の職場の様子

自分のフィーリングの「答え合わせ」ができる

内田クレペリン検査を導入する前に感じていた課題があれば、お聞かせください。

最初に、日本の皆様にミャンマーの生活をイメージしていただく必要があると思います。弊社従業員の中には「家が農家なので、進学はせず家の手伝いをしていた」「兄弟姉妹を学校に行かせるために、子供の頃から働きに出ていた」「生活に手いっぱいで、それ以外のことは考えられなかった」など、日本人にとってはまるで昔話のような出自の人がたくさんいます。ミャンマーには貧富の差が明確にあり、教育の機会は誰にでも平等に与えられるものではありません。
しかし、ミャンマーの工場で働く人材は「今まで学ぶ機会が少なかった」というだけで、同国の一般的なオフィスで働く人たちと比べても、基本的な能力に大きな差はないのではないかと弊社は考えています。学歴はなかったとしても、実際に現場で働き始めるとめきめきと頭角を現す逸材がいるのも事実です。そのため弊社では、現在の学力や基礎知識だけでなく、その人自身の適正を公平に判断できる検査方法を探していました。
内田クレペリン検査は、検査用紙に印刷された数字を足していくだけの簡単な検査です。言語の制約を受けず、文化の違いによる影響も少ない。紙ベースなので、各種デバイスに馴染みのない人も問題なく受検できます。「検査用紙1枚で、その人本来のポテンシャルを測ることができる」という点において弊社のニーズとマッチしており、人事評価を決める上でも大変重宝しています。またミャンマーは停電が多い国なので、停電時も検査が続行できる点もうれしいですね。

内田クレペリン検査の結果を見る際、どのような箇所に着目されていますか。

特に、「突出して注意すべき特徴がないか」という点に着目しています。おかしな動きをする可能性がある人は、管理職に配置しない。そこを最重要視しています。
また、「求められる業務にマッチしているか」を見る場合もあります。作図を行うCAD部署の場合は、正確性や慎重性に注目しますし、クリエイティビティが重視される3D部署の場合は、発想の柔軟性に注目します。その人の個性をくみながら、業務の適性を判断する材料にしています。
検査結果によっては、新規プロジェクトにアサインしてさらに上の役職を目指してもらうこともありますし、自社・他社、そして海外を問わず、より活躍できる場所を一緒に考えることもあります。最も大切なのは、検査結果の良し悪しではなく「その人の特性が、今会社が求めていることに合致するか」だと考えています。

内田クレペリン検査のメリットを感じた具体的なエピソードがあればお聞かせください。

従業員の昇進を決める際は、検査結果を見ながら適性に応じて判断するわけですが、候補者全員が管理職になれるわけではありません。誰かが選ばれると、その他の人は通常業務に戻っていくことになります。候補者内に突出した人材がいる場合は良いのですが、そうでない場合は判定基準が曖昧になり、「どうして、私ではなくあの人が選ばれるの?」という疑念にもつながります。
従業員の採用や昇進を決める際には、その人に基本的な能力が備わっていることは前提として、プラスアルファの要因も絡んでくると思います。採用側のフィーリングはもちろん、運やタイミングといった「御縁」のようなものもあります。けれども、こうした目に見えない部分を説明するのはなかなか難しいです。
内田クレペリン検査を導入する最大のメリットは、こうした目に見えない部分の答え合わせができること。そして、会社としての客観的な指標ができることだと思います。候補者側にも「これは自分自身のテストの結果だ」という納得感があるので、人事選考が公正であることの説得力にもつながっています。

インタビューの様子 インタビューの様子

内田クレペリン検査を活用し、
従業員に教育の機会を提供する

内田クレペリン検査をさらに活用したい分野があれば教えてください。

従業員の「教育」に活用したいと思っています。
ミャンマーで事業を続けて思ったのは、「最初はできなくても、地道に教育を続けていけば、いつかはできるようになる」ということ。なので、言語にしろパソコンにしろ、現時点で上手にできなくても、あまり大事に捉え過ぎないようにしています。
弊社では日本語学習を奨励しており、日本語検定の取得者には奨励金を出しています。そんな背景もあり、気が付くと「日本語を学ぶのが日常の会社(※1)」になっていました。社内には、日本語検定N3レベル(※2)の人材も増えてきています。
弊社はミャンマーで様々な経験を重ね、BPOの実務に関してはある程度の社内教育メソッドが確立できたと自負しています。

※1ミャンマーは世界で最も日本語学習者が多い国となりつつあり、日本語を母語としない人を対象とした「日本語能力試験(JLPT)」の応募者数が年間20万人を突破しています。

※2日常的な場面で使われる日本語を、ある程度理解することができる

その一方で、会社の実務は問題なくこなせるものの、「100円の20%引きは何円?」「自分たちが暮らすミャンマーは世界地図上のどこにある?」といった問題には答えられない従業員がいることも事実です。しかしこれも、根気強く教育を続けていけばいつかは理解できるようになると思います。
私たちには、「縁あってともに働く従業員たちに、教育の機会を提供したい」という思いがあります。とはいえ、「教育」が従業員の生活を劇的に変えたり、日々の業務にすぐに役立ったりするとは考えていません。私たちが見据えているのは、もっと先の未来です。
従業員たちは、今後もミャンマーで生きていく中で、病気や貧困、紛争や災害といったさまざまな困難に直面する機会が少なからずあると思います。そんなときに、「教育」を通じて得た知識が、その問題を回避したり、備えたり、解決したりする一助になるかもしれません。
弊社では今後も、個人のポテンシャルを測る1つの指針として内田クレペリン検査を活用していくつもりです。

内田クレペリン検査の導入を検討している企業様へメッセージをお願いします。

弊社の退職理由の中で最も多いのが、「海外に出稼ぎに行くため」です。弊社だけでも月数名が日本に行くために退職しており、非常に多くのミャンマー人材が技能実習生や特定技能人材として日本で働いていることが予測できます。BPOの現場でも、今までは日本国内で行っていたであろう、コア業務に1歩踏み込んだ内容の依頼が増えてきており、特に地方の人手不足を実感しています。少子高齢化に伴う労働人口の減少に伴い、日本で働く外国人材の数は年々増加しており、今後も増え続ける見込みです。
外国人材を採用する際、面接時の印象と日本語能力だけを重視する方も多いと思います。けれどもたった数分間の面接で、その人本来の姿を知ることは難しいのではないでしょうか。どんな人でも、面接用の対策はしてきますしね。
内田クレペリン検査では、面接や質問テストでは分からない、その人本来の姿を見ることができます。そのため、一緒に働いた際のイメージが湧きやすく、採用のミスマッチを防ぐことが可能です。もし皆様が外国人材と一緒に仕事をすることになった際には、日本人、外国人という大きなくくりで見る前に、まずはその人自身のことを知ろうとして欲しいです。内田クレペリン検査は、相手の特性や考え方を知るための一助になると思います。
また、内田クレペリン検査の「性格・行動面の特徴」を参考にした人材配置をすることで、社内の生産性の向上にもつながると思います。外国人材を採用する機会があれば、ぜひ内田クレペリン検査を思い出していただきたいです。

インタビューの様子 インタビューの様子

2024.12.5:年末年始の営業について