<本シリーズの概要>
このシリーズは、DBT創始者のマーシャ・リネハン、CBT専門家のアーサー・フリーマン、精神分析家のオットー・カーンバーグが、それぞれ異なる視点から、困難なクライアント アルフレッドと初回セッションに取り組む様子を描いた映像です。
「グロリアと3人のセラピスト」を現代風にアレンジした作品といえるでしょう。
各セッションには細かな解説が加えられ、治療同盟やパーソナリティ障害に対する臨床的考察が得られる内容となっています。
こちらのページは3作品をまとめて紹介したページとなります。
単品での購入をご希望の場合、またはそれぞれの動画の詳細を知りたい方は以下よりご確認ください。
①弁証法的行動療法(セラピスト:マーシャ・リネハン)
https://www.nsgk.co.jp/psychotherapy/videos/series05-1/
②認知行動療法(セラピスト:アーサー・フリーマン)
https://www.nsgk.co.jp/psychotherapy/videos/series05-2/
③精神分析的心理療法(セラピスト:オットー・カーンバーグ)
https://www.nsgk.co.jp/psychotherapy/videos/series05-3/
▼ エピソード
- 弁証法的行動療法
- 認知行動療法
- 精神分析的心理療法
<予告編>
<各動画の概要>
1本目:弁証法的行動療法
この動画では、弁証法的行動療法(DBT)の創始者であるマーシャ・リネハン博士が、抑うつ、自殺念慮、怒り、不公平感を抱える中年男性アルフレッドとの初回面接を行う様子を収録しています。
セッション内でリネハンは、弁証法、不遜な態度、ヴァリデーション、クライアントの選択を重視することなどのDBTの技法を織り交ぜながら行動アセスメントを行います。
クライアントが過去にとった暴力的な行動を隠し、治療へのコミットメントも高くはない中で、リネハンは注意深く冷静に必要な情報を集め、自殺念慮や暴力を評価し、目標を明確化しクライエントの治療への意欲を引き出します。
リネハン博士の実践を見る貴重な機会として、初心者から専門家まで楽しめる内容になっています。
2本目:認知行動療法
この動画は、パーソナリティ障害のクライアントに認知行動療法(CBT)をどのように適用できるかを示す内容になっています。CBT専門家であるア―サー・フリーマンが、基本的なCBTの手法を簡潔かつ実践的に示すとともに、不適応的スキーマへの着目や精神力動的な視点も組み入れながら、初回~2回目のセッションを進めていく様子を見ることができます。
クライアントである40歳のアルフレッドは、女性との関係が破綻したことをきっかけに来談し、情緒不安定で、怒り、不公平感を抱えている。
フリーマンは治療同盟を重視しながらも、自殺念慮や飲酒の問題を特定していきます。またメタファーを使い、彼の自己愛的信念や「白黒思考」に疑問を投げかけ、できるだけ安全な方法でクライエントが自己理解を深め、具体的な目標に向かうための治療意欲を引き出せるよう試みます。
3本目:精神分析的心理療法
精神分析の巨匠、オットー・カーンバーグによる「転移焦点化心理療法(Transference-Focused Therapy: TFP)」の実践を収めた貴重な映像です。TFPで用いられるパーソナリティ障害の評価と治療技法が3回のセッションにわたり収録されています。
恋人との破局をきっかけに来談したアルフレッドは、セッションにおいて被害妄想的な転移感情を持ち、防衛的な態度を示します。
彼に対し、カーンバーグは尊重と対決を併せ持つ態度で継続的なアセスメントを行いながら、今ここで起きている転移に着目し、むしろそれを利用して治療同盟を強化し、彼の治療への動機付けを高めていきます。
精神分析的な視点を持ち心理療法を行う方にとっては特に必見の内容です。