『人柄10類型』の判定技術講座@大阪

皆様ご無沙汰しておりました。日精研の新人1号です。
冒頭の写真は夜の大阪城です。
どうしていきなり大阪城の写真を持ってきたのかと申しますと…
10月も終わりになってしまって何ではあるのですが、私新人1号、去る8月に、大阪で開かれた、『人柄10類型』の判定技術講座に参加してきたのです。そこで、今回はその時の様子を少々書いてみたいと思います。
私たち日精研の判定員の日常の業務は、もちろん内田クレペリン検査(=UK)の結果を判定し、それをユーザーの方々へお返しすることなのですが、UKの結果の解釈の仕方は、実は日精研の提供しているものが唯一のものという訳ではありません。検査のそもそもの誕生からすればもう50年を超えるUKですので、現在までに至る間に結果の見方について、幾つかの『分派』ともいうべきものが派生しています。
今回私が参加してきた『人柄10類型』の判定もそのような『分派』の一つなのです。
日精研で提供している『個別診断的判定』は、検査結果である作業曲線の形を、『ものごとへの取り掛かりの良し悪し』を反映する『発動性』、『気分や行動の変化の大小』を反映する『可変性』、『ものごとを行う際の強さや勢い』を反映する『亢進性』の3つの観点で捉え、それらをそれぞれ3段階に程度付けすることで受検者の性格の基本的な特性を浮き彫りにしよう、というのが考え方の基本です。
一方、『人柄10類型』の判定は、人間の性格に『躁鬱型』、『分裂型』などといった10種類の性格類型があることを想定し、それらの性格類型を持つ人がUKでどのような検査結果(作業曲線の形)をこれまでに出してきているのか、ということに着目して一定の法則性を捉え、その法則を基に、ある検査結果を出した人の性格特性の判定をしよう、というのが基本的な考え方のようです。
少し難しい話をしてしまいましたが、判定の結果としては日精研の提供している『個別診断的判定』も、『人柄10類型』の判定も、一つの検査結果については、ほぼ同じ性格特性を把握することになります。
まぁ、同じ源流から発祥していてアプローチの仕方は違うけれども、最終的に到達するゴールは同じ、ということになるのですね。私共日精研のmomoto氏が好きな格闘技系で例えれば、『柔道』と『柔術』の違い、または、漫画で例えれば『北斗の拳』での『北斗神拳』と『北斗琉拳』の違い(…ちょっと例えが古くてマニアよりですが…)みたいなものだと考えていただければ、何となくそこらのニュアンスが伝わるかと思います。
…で、普段とは違った切り口から検査結果を見ることで判定のスキルアップに繋げよう、ということで、私共日精研からはここ数年、判定員が順番にこの『人柄10類型』の判定技術講座に参加させていただいています(去年の様子はこちらにも書いてありますね)。
去年のおかP さんの記事にもあるように、講習初日は(例によって?)UKの受検から始まります。ただ、ここで一つだけ日精研での検査実施法と違う点があります。それは検査用紙の片隅に自分が考える『自分自身の長所・短所』(=内省)を記入させる、ということです。
これは、『人柄10類型』では、UKを通じての自己理解、及び個人個人の性格類型に応じたメンタル面の管理ということに重点を置いているからで、『人柄10類型』の判定では、個人の内省(=『自分自身の長所・短所』)と実際の検査結果を付き合わせつつその人の性格類型を判定し、受検者がより精神的に健全に過ごせるよう、日常の生活指導などに役立てていくのだそうです。
一方、普段日精研で提供している『個別診断的判定』では、目の前の検査結果のみから受検者の性格特性を把握しなければならず、また、利用される場面も企業の採用選考場面など採用試験の合否を左右するシリアスな状況、ということで、私共判定員も検査結果に、もしもかなり普通の人と違った結果が出ていたりすると、それを『その人なりの個性』と捉えるのではなく、どうしても『性格のかたより』としてネガティブに把握してしまいがちだったりするのです。
簡単に言うと、『人柄10類型』の判定は『自己理解を通じて受検者の個性を活かす』ためのもので、日精研の『個別診断的判定』は『その企業に不適格な個性を持つ受検者を未然に排除する』ためのものなのです。この辺の検査結果の捉え方の違いには、講習当初私もかなり当惑しましたし、検査の在り方として、どちらがより受検者本人にとって有益なのだろう?…など、色々と考えさせられる部分もありました。
ちなみに、その時の私の検査結果は↓のようでした。

検査結果は1分間毎の足し算の出来高を折線グラフのようにプロットしたもので、左から1分目、2分目…と見ていきます。また、途中で折線グラフが二つに分かれていますが、これはその間に5分間の休憩が入ったことを示します。
私の検査結果の場合、検査開始後の最初の1分目と、休憩後のやはり1分目だけが足し算の出来高が極端に多く、その後は急速に少なくなり、その後は出来高が少し回復して一定の範囲でまとまっている、という特徴があります。また、自分で記入する『自分の長所』には、『先のことまで良く考える』こと、『自分の短所』には、『考えすぎて行動に移れないこともある』というようなことを書きました。
この二つから導かれる私の性格類型は、『気づかい型』。一見良さ気なネーミングですが、またの名を『神経質型』。この型の特徴は、慎重、細心、緻密にして確実さはあるものの比較的疲れやすい、また、感情の反応は敏感だが、周囲への気遣いが細すぎて、それをそのまま外に出すことを抑えてしまうため感情は外へ豊かには現れない、などがあるそうです。普段から自分で思っていたことと余りに一致していたのでかなり驚きました。
因みに、このタイプの人間が精神的に不健康になると、気がね、気苦労、いらいら、悲観、ノイローゼなどが出るらしい(ちょっと怖い…)。
ただ、精神的に不健康になるのを防ぐには本人や周囲の人がどうしたら良いかが明記されているのがこの『人柄10類型』の良いところでもあります。
で、早速その項目を見ると…
『この型は、なんと言っても気遣いが細かく気弱になることが健康を害するもとになるのであるから、まず、気やみをしないようにして強く、たくましくなることが肝要である。ただし、強く激励したりむやみに尻をたたいたりしただけでは効果は上がらない。それよりも、この型は、自分の持っている実力よりも自分を低く評価するような気弱さがあるので、何事でも自信を持ってやるように仕向けていくことが第一である』とある。
ふむふむ。本人側の対処としては常に自信を持つように心掛ければ良いって訳ね。じゃあ、これからはいつも自分に自信を持って、大胆不敵に行動するようにしてみますか!?
…って、周囲からはかなりウザがられそう。やっぱり私にはちょいと無理な感じです…(←既に『神経質型』の特徴がかなり出ているようですネ)。
などなど、ここまで色々と書いてきましたが、ともあれ、私にとっては非常に勉強になった講習会でした。講習会を主催された大阪心理技術研究会の方々、本当にお世話になりました。同じUKを利用する者同士、今後とも交流を深め、お互い切磋琢磨してまいりましょう。
いつの日か、この、源流を同じくするUKの2つの見方の長所を兼ね備えた天下無敵!の判定法が編み出されたりしたら素敵ですよね(…これじゃまさに先程の某漫画みたいな展開だ…)。
今回はここまで、また次回にお会いしましょう。
momoto 2008年10月28日 11:00:
8月は研修や、講習会が続いてお疲れ様でした!勉強になって何よりでしたね。
それにしても、「人柄10類型」と「個別診断的判定」が「柔道」と「ブラジリアン柔術」っていう対比は、なかなか面白いね!
先日の、世界団体に出ていたブラジル81キロ級のフラービオ・カント選手は、柔道代表で柔術黒帯なんだけど、うちの判定員たちには、ぜひカントを目指して欲しいと思います!
http://jp.youtube.com/watch?v=F-lh8ixSnS4&feature=related



このエントリーのトラックバックURL
http://www.nsgk.co.jp/mt/mt-tb.cgi/175