「クローバーフィールド」

観てきましたがな。以下、ネタバレなレビューしか書けないので、これから行こうと思っている人は、読まない方がよろしいかと。
また、観たいと思っている人でも、乗りもの酔いしやすい人は、行かないほうが身のためです。ひどいことになります。
そうか、ブレアウィッチって観ていないけどこういう映画だったんだな。通常俯瞰される側として描かれる登場人物たちが、撮影する側に回るとこういうことになるのか。そうかそうか。
いや、そういう見かたはひとまず置き、とってもおもしろかったです!
いきなりばかみたいな感想ですが、なにしろ映画に関してはウブい私ですから、ぐるぐる回りながらパニクる映像にあてられ、畳みかける展開に巻き込まれ、設定上予想できるものの無残に放り出されるエンディングにすら、心底終わってよかったよ~、とむしろほっとし、つまり心底堪能いたしました。
エンドロールが流れる中、固まりつつうまく説明できないニヤニヤ笑いが止まらない。腹筋が固まって、体が一回り縮まったような按配で家路につきました。
道すがら、若き日の筒井康隆が書いた名短編「走る取的」を思い出しました。飲み屋でたまたま遭遇した取的(相撲取り)に、二人の男がひたすら追い詰められていくという、今なら相撲協会から抗議必至の不条理極まりなく底知れず不気味で異常な話です。
それにしてもこの映画のモチーフとして思い出されるのは、クトゥルー神話であり、遊星からの物体Xであり、エヴァンゲリオンであり、エイリアン、バイオハザード、スターシップトゥルーパーズ、アウトブレイク、そしてスティーヴン・キングのB級ホラーの数々であります。ああ素晴らしき哉B級!
こうなると上半身を鉄筋に貫かれて死にかけていた女の人が、助け出された後、ガンガン全力疾走しちゃったり、ビデオテープと電池がいつまでも切れなかったりするという作り手だって承知しているに決まっているいい加減なところなど、まるで気にならないものです。
あの異常にでかいモンスターもニンゲン1人ずつ食ったって、腹の足しにはならないだろうにとは思ったけれど、ニンゲンを食ってこそのモンスターで、食われてこそのニンゲンだ。
ああ、ニンゲンってのもいますね。
http://homepage3.nifty.com/Daiou3/Ningen.html
予告で延々見せられる何だかでかくて重たいものががとんでもない音を立てながらぶっ飛んできて、ジジッと一瞬明るくなってから消えた街灯に照らし出されると、それが自由の女神の首だってことがわかるシーンには、映画館で映画を観ている喜びというかなんというか、もう感じましたね。
日本なら何だ?西郷さんじゃ小さいし鎌倉の大仏じゃ間抜けだし、牛久の大仏じゃマイナーだし、金のシャチホコじゃ面白くなってしまうし。いいなアメリカは。いい象徴があって。
残念なことと言えば、ガイジンたちの英語がよくわからず、字幕を読むことに追われ画面への集中がしばしば削がれたあたりですか。
ところでエンドロールの最後で、It's still aliveって言ってたんだな。
続編があるということだな。レイトショーで観たとはいえおれも投資したからな、2作目もちゃんと作ってくれ、よろしいな、とここで言っておく。



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