内田クレペリン検査と柔道
先週、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで柔道の世界選手権が開催されました。なかなか日本が勝てなくて、歯がゆい思いをした方も多かったのではないでしょうか。鈴木選手や井上選手の負けた試合を観て、「あれで負けなんて、こんなの柔道じゃない!」とカッカしている方もいるかもしれません。個々の判定の是非はともかくとして、わたし個人的には今回の世界選手権を通して、柔道は確実に世界のJUDOとして独り歩きをはじめているんだなぁ、という感想を抱きました。柔道の「精神」がグローバルになったかどうかはともかくとして、世界中の老若男女が日本発のスポーツにこれだけのエネルギーを注ぎ込んでいるということは、実はものすごいことではないでしょうか。
しかし一方、これだけJUDOが世界に普及したとはいっても、日本ほど良質な柔道資源(道着、道場、指導者、練習法、資金など)が社会に浸透している国は他にないでしょう。だからこそ、外国の選手たちは限られた資源で日本に勝つためにいろいろと(ルールのなかで)戦い方を創意工夫しているのだと思います。その結果が、「組まずに投げる」とか「力で投げる」とか「投げられてから返す」といった変則柔道を生み出しているのではないでしょうか。日本人の外国アレルギー(こんなの柔道じゃない!)もわからないでもないですが、外国選手は外国選手で、自分に与えられた資源を最大限に利用して勝つために必死なのだと思います。良くも悪くも、日本の柔道選手たちは世界のJUDOアスリートたちの目標であり、彼らがトラディショナルな柔道にこだわればこだわるほど、外国選手たちは変則的なJUDOを仕掛けてくる。そんな図式があるような気がします。
今回の世界柔道は期待通りの結果を残せなかった日本勢ですが、来年の北京オリンピックでは、またすばらしい柔道を見せてほしいものです。それが、さらに外国選手たちのJUDOをも進化させることになるはずですから。
さて。こんな厳しい包囲網のなか戦い続けている日本選手たちですが、じつは彼・彼女らの活躍に内田クレペリン検査が関わっていることを皆さんはご存知だったでしょうか?
元大阪教育大学の船越正康先生は、これまで1,000人以上の柔道強化選手たちに対して継続的に内田クレペリン検査を実施し、その結果から選手の「個性理解」と「コンディショニング」のサポートをしてきました。これまでに蓄積された検査結果が4,000枚以上というから驚かされます。これまでに検査結果の分析にもとづいたカウンセリングによって、それまでスランプに陥っていた選手が急に勝てるようになったり、ときには事前の検査結果から練習中のケガを予想したことすらあったそうです。
もちろん、個々の検査結果については個人情報になるため見せていただくことはできませんが、船越先生からお聞きしたお話では、柔道の強化選手クラスになるといわゆる「定型」の割合がめっきり減って、とてもユニークな結果が多くなるそうです。船越先生の分析は、以前にこのサイコログでもご紹介した「人柄10類型」によるので、わたしたちの用いる「非定型」という括りはありませんが、あえて強化選手たちの検査結果をわたしたちの基準で分析すると、きっと「非定型」の人がゴロゴロいるのだろうと思います。
普段、学校に内田クレペリン検査の結果をお返しすると、「非定型」に分類される子どもたちはネガティブにとらえられることが多いのですが、この柔道の話からもわかるとおり、「非定型」=「問題」ということでは決してないのです!むしろ金メダル級のユニークな才能が隠れている可能性があるともいえるでしょう。さすがに来年の北京には間に合わないかもしれませんが、その次のオリンピックでは、これを読んでいるどこかの先生のクラスの、「非定型」の生徒さんの中から金メダリストが誕生するかもしれませんね。
tswd 2007年12月04日 12:38:
本当は柔道より合気道のほうが強いと思うP



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