「隕石コレクター」リチャード・ノートン著

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皆さん、はじめまして日精研の心理測定事業部に所属しておりますmomotoと申します。今回、はじめて会社のブログ「サイコログ」に投稿(?)させていただくことになり、少々緊張しております。この「サイコログ」もスタートしてから早くも3ヶ月が経過しようとしています。最初は、ブログなんて続くのかな?と不安でしたが、意外にも安定して更新されているようで感心しています。

しかし。しかしです。着々と更新されているカテゴリーに埋もれて、ひとつだけ更新されない落ちこぼれカテゴリーが!そうです。それが、この「読んだら・・・」というカテゴリーです。このままでは、うちの会社は本も読まない社員ばかりだと思われかねないので、放置しっぱなしの担当者に代わって、今回、私が拙い読書感想文を書くことになった次第。

そこで、今回ご紹介する本が『隕石コレクター』(築地書館)です。「なんだよ隕石って。隕石が日本・精神技術研究所と何の関係があるんだよ?」というツッコミが聞こえてきそうですが、でもいいんです。そもそも、この「サイコログ」は、商品やサービス以外の会社の顔を多面的にアピールできればという願いを込めて、サイコ(精神)+ブログ=サイコログ(サイコロ=多面体)に名前が決まった経緯がありまして。だからこそ、広いインターネットで「隕石」というキーワードで引っかかってこのブログに辿りついた人にこそ読んでもらいたいのです。そんな人が「お、なんだこの会社は?」って思って、日精研のことを知ってくれたらいいなぁ、って。

まぁ、そんな会社の思惑はどうでもいいんです。そんな小さなことよりも、やっぱり「隕石」です。この『隕石コレクター』の原題が示すとおり、"Rocks From Space"、宇宙から来た石。なんともロマンチックじゃないですか。これまで「化石」に関する本は何冊か読んだことがありましたが、「隕石」の本で、しかも入門書的なものとういのは、あまり目にしたことがなかったので、本屋で見つけて即買いしてしまいました。一冊3,675円ですからね。安い買い物ではありませんでしたが、読んだら・・・まさに隕石が衝突したようなインパクト与えてくれる素敵な隕石入門書でございました!

基本的に三部構成の本書ですが、隕石を発見して手に取る興奮を教えてくれる第一部から、その隕石の内部に潜り込んでいくような第二部と、内部に潜り込んでいたはずがいつの間にか隕石の故郷であるアステロイド・ベルトにワープしていたような感覚をおぼえるダイナミックな展開の第三部まで、「宇宙から来た石」を軸にして縦横無尽に時空を駆け巡る知的エンターテイメントとでもいいましょうか。一見、地味な石ころを、よくぞここまで楽しい一冊に仕立て上げたと感動します。


どこを切っても知的興奮に満ちた本書ですが、なかでも興奮させられたのが「衝突地質学」というタイトルの最終章です。恐竜絶滅の原因となった小惑星(または彗星)と地球の衝突を中心に、過去の衝突と、未来における潜在的な衝突可能性について、わかりやすく解説してくれています。この最終章、原書では"When Worlds Collide"というタイトルのようです。これは「地球最後の日」という邦題で公開された映画のタイトルでもあります。直訳すれば「世界と世界の衝突」でしょうか。まさに、恐竜たちが目撃したのも小惑星という鉱物が支配する不毛な世界と、自分たちが支配していた地球という二つの世界の衝突=(恐竜たちにとっての)地球最後の日だったんでしょう。

この恐ろしいファース・トインパクトが恐竜の絶滅の原因になったことは、今では異論の余地がないようですが、実は恐竜の絶滅の謎の解明には、もうひとつ別の「世界と世界の衝突」が関わっていたんですね。それは、地質学と天文学という二つの異分野の学問の衝突。それによって口火を切った、多数の異なる学問分野(化石学、古生物学、鉱物学、物理学などなど)のさらなる衝突と融合。まさに知の複数衝突(マルチプル・インパクト)!

実は、この知の世界における複数衝突が、恐竜の絶滅をめぐる謎解きから端を発していたということ。つまり、それは小惑星の衝突が6500万年後に生きる私たちにもたらした、セカンド・インパクトだったということを、この『隕石コレクター』があらためて教えてくれました。衝突が破壊だけでなく、何かを創造するエネルギーをも生み出すというのは、面白いですね。

日時: 2007年07月13日 15:20   カテゴリ: 読んだら・・・   投稿者: momoto